私は、図々しい人が苦手。
どうしてかな?と思うけど。
たぶん、そういう人は、
心の境界線が見えないからだと思う。
見えないから、
平気で相手の領域に土足で踏み込む。
罪の意識もなく。
とても無邪気に。
悪気がなければすべて許されるかのような、あの、
「足りなさ」が、嫌いなのだと思う。
「写真を撮って」と気軽に言われることに強い抵抗を覚える。
私の職業を知らない人は仕方ない。
でも、
よく知っている場合にそれを言えるとは、いったいどういう神経だろう?
言われたとたん、それまでの時間がどんなに楽しくても、一気に冷める。
私の心は、さっと緊張し、エラーサインが鳴り響く。
どうしてかな?
世の中、
カメラマンに向かって「ちょっと撮ってよ」と言う人はいても、
大工に向かって「ちょっと家建ててよ」と言う人はいないだろ?
だけど、同じことだと思うんだよ。
プロに頼むなら、それなりの道を辿れ、と思う。
初対面のその人は、お土産を持って来て。
楽しく話し、それを渡したあと、私の隣りにいた師匠に、それを言った。
一瞬ぎょっとする私と師匠。
その空気を読んだのか?
「プロに頼むなんて図々しいですかね?」とその人。
しかし、
言葉とは裏腹に、申し訳なさそうにするでもなく自分の動きは止めずに、
笑いながら、躊躇する間もなくさっさと自分のデジカメを師匠に渡した。
驚いた。
何度か、シャッターを切る、師匠。
その後、プレビューに写る自分を見て「太ってますね!」と言ったその人。
もっと驚いた。
お礼を言うより先に、変な感想を言う人!
そうだよ、あなたは太ってんだよ。なんでそんな当たり前のこと?
プロが撮れば痩せて見えるとでも?
以前、私に「奇麗に撮ってくださいね〜」と言ってきた女性がいたけれど、
「では奇麗にしてきてください。ないものは写りませんから」
と答えたことがある。
その人は、師匠に、「なにを」撮ってもらいたかったんだろう?
後から本人は「なんとなくだった」とメールしてきていたけれど...
なんとなく? ですって?
ああ!そうなんだ、ここが問題なんだ!
プロに向かって「なんとなく」頼む人。
信じられない。
そのセンス。
魂のセンス。
なにもないのに頼むなよ、と思う。
あまりにも不愉快で、ひと晩もふた晩も眠れなかった。
こんな気分悪いのは久しぶり。
あ〜ひっさしぶりにきたな〜と思いつつ、じーっとみた。
もっとも気分が悪いのはいったいどこか。
もちろん、表面的な問題としては、その人の言動が、ということなんだけど。
そんなことには騙されない。
もう今の私は、騙されない。
人のことは関係ない。
そんな外側のことに左右されて、ここまで気分悪くなるはずがない。
もっと、
もっと深い場所に隠れている「自分の問題」があるはずだ。
逃がしてなるものか! せっかくこんなに気分悪いのに!
どこまでもどこまでも追いかけて...
つかまえました。
私が、もっとも気分を悪くしたのは。
その場でその人に伝えられなかった自分、という部分でした。
あの時、自分が頼まれた訳ではなかったので私は黙っていたけれど。
師匠も同じ考えなので、私が言ってもよかったと思う。
言えば、その人もそこで新しいことに気付けたかもしれないし。
逆に、
言うことでその人が気分悪くなったとしても、
私達は「あわない」ということで、もう付き合わなきゃいいんだし。
境界線を引き、プロとしてのスタンスを知らせることは大切だろう。
これまで私は、同じような場面に出逢うたび、なぜか我慢していた。
でも。
それはまったく無意味なことだということが、
よくわかった。
とたんに気分すっきり。 よかった。 これからはぜひそうしよう。
自分の身に同じことが降りかかったら、
仕事以外では、自分から撮りたいと思わない限り、
いくら人に頼まれてもきっぱり断ろう。
不親切な人だと思われても平気だ。
あとからこんな苦しい思いをするくらいなら人から嫌われる方がまだマシだ。
自分に嘘をつくとこんなひどいしっぺ返しがやってくる。
忘れずにいよう。
あとから師匠も「言ってあげればよかった」と言っていた。
でも、私の知り合いということで遠慮したらしい。
優しいとかえって仇になることもあることを、覚えておこうと思う。
けれど不思議なのは、
その人はある分野でプロ活動をしていたこともあるらしい。
なのに、他の分野に対して敬意を払えないとは... ?
しかも、それまでさんざん私達の話を聞いて
「へ〜」とか「ほ〜」とか言っていたくせに。
(笑)
最後があれとは... うーむ。
相当ひどいか。相当足りないか。実はなにも聞いてなかったか。
いただいた名刺にはその人の名前の上に「引き寄せの法則」と書いてあった。
ふうん。
おそらく向上していきたいと願っているんだろうな。
さて、この人は、今。
いったい自分に、なにを引き寄せたでしょうか?
ふふふ...(笑)
わかればよし。わからなければ...
この人は成功しないだろう。
成功とは、
社会的成功という低いレベルの話ではなくて。
個人的成功という、
高いレベルでの話。