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セドナ 3日目

夜明け前、
エアポートメサを目指した。
サンライズを、あのてっぺんで見ようと。

まだ月が出ている。 まっくら。
懐中電灯を持って、メサを登る。

で、

転んだ。

左足首の中で ぐぎっ と 音がした。 すごい和音。
こきっ、とかいう単音じゃないの。
不協和音。

しまった、と思った時にはもう遅い。

私のすぐ後ろを歩いていたまきちゃんは、
心臓が飛び出るぐらい驚いたと
あとで興奮して言っていた。
ごめんなさい。

うまく転んだのでよかったけれど、
手をついたすぐ脇、そこはもう崖なのでした....
見ていた人の方が、よっぽど怖かったと思う。

私は小さなパニック。
もうこれで歩けなくなったことがわかったので。

このあと、ザイオンの川歩きの計画はどうなるだろう?
今日これから、あと二カ所のボルテックスをまわりたいのに?
どうしたら?
どうしたら?
数秒の間にくるくるっと、いろんなことが駆け巡る。
旅の仲間に迷惑をかけてしまった...
少しでも気を緩めたら、パニックの渦が大きくなりそうだ。
なぜこんなところでこんなことが起きたのか、わからない。
落ち着かなきゃ。
取り乱してはいけない。

すぐにラファエルを呼ぶ。
緑の光が見える。

立ちなさい

と聴こえてきたので、
ああ、立つことはできるんだな、と
そこで初めて心強さが戻ってきた。
よかった。

ショックで膝ががくがく震えているのがわかる。
でも
てっぺんまで登った。

メサの真ん中に、しょんぼりした心で座る。
頭上に半月。
雲が多い。
風にどんどん流されていく。
足をさする。
瞑想どころじゃない。集中できない。

私は弱い。

そっと動かしてみるけれど、どうやら、痛い。

さて、登ったのなら、降りなければ...

とうとう朝日は見えず。
曇った空の下、ゆっくりメサを降り始める。
なるべく進みやすい道を、師匠が先導してくれる。
ゆっくり、ゆっくり進む。

なんだか悔しくて
涙が出そうだ。
足をかばって、カニ歩きしかできない....
情けない。

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だけど、転んだ時に、
本心さんのペンダントが切れたりしなくてよかった。
捻挫だけで、折れたりもしていないようだし。
まあ、こんなことで済んでよかったか。

熊野の玉置山で、満月の晩に転んだことを思い出した。
あの時は肋骨にヒビが入った。

バランス

あたまのなかにこの言葉がよぎる。
今すぐにはわからないけれど、きっと何かバランスをとるために
起きたことなんだろう。
車に乗り込む頃にはすっかり落ち着きを取り戻していた。
ただ、この旅は
これから歩かなければならない箇所がたくさんある。
それをどうしよう。
天使にできないことはない。
お願いしよう。 お願いして、助けてもらおう。

本心さんのペンダントを握りしめ、天に祈った。

湿布剤と包帯を買って、足を固定しながら
モーテルで氷をもらって、その日はずっと足を冷やした。

ポイントンキャニオンと、カセドラルロックへは、
車で入った。
登ることはできなかったけれど、オフロードを走ったりして
楽しく一日を過ごした。

夕方、空に虹色が。
マチルダが浮かんでいるのかと思った。
私の目には、
マチルダがこんなふうに見えるんです。
これで2ミリくらいの大きさだったら。

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その後ゴールデンロータスギャラリーへ行ったら
本心さんは最初驚いたけれど、
すぐに笑いをこらえきれず、くっくっく(笑)と
私の姿を見て笑っていた。
『Sorry」と言いながら。

こんな時、悲しむのではなく、笑ってくれる人でよかった。
そこで
「やぱりこれはよくないことが起こったわけじゃないんだ」
と納得する私。

翌日から旅本番、移動の日々が始まる。
歩く時だけちょっと心配。と伝えたら、
本心さんが薬を出してくれた。
私は今はケミカルをほとんど飲まないで生きているので、
一瞬抵抗があったけど、普段飲まない分、ここで飲むと
ものすごい効き目を表すだろうと思い、飲むことにした。
これ以上、師匠とまきちゃんに迷惑をかけたくないので。
1日4錠飲んでと言われたのを1錠だけでも飲むことに。
(このことが、この先本当に助かった)


今夜は、本心さんのお宅にお邪魔した。
とても素敵な自宅。
アーティストの暮らしは、一番好きだ。
自分の生活を見えない光で覆っている。
アトリエも見せてもらった。

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「このペンダントはここで創ったの?」
と尋ねたら
そうだよ、と答えた本心さん。

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近くの別荘に移って、
本心さんと奥さんともうひとりのお友達が
いろいろ夕食を作ってくれた。

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シンプルな料理をいくつか、と
ヴィンテージもののワインを何本か、を
ごちそうになった。

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本心さんに、天使について質問してみた。
彼は、
声が聴こえるのはもちろんのこと、
姿も見えると言っていた。

天使の姿。

きっと彼には、マチルダの虹色の輝きも見えているのだろう。


旅の最後の宿がまだ決まっていない、と告げたら
ここに戻って来いと言う。
最後はここに泊まれ、と。
そしてもう一度ディナーを一緒にしようと。

こんな幸運て、あるだろうか。
すごい旅になった...

天使の導きだ。


今宵は満天の星空。
赤い世界のセドナ。
ウィザードに出逢って。
ロータスの声を、聴く。

続く、続く、

天使のダンス。




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