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賑やかな朝

私の身体はすっかり3:00起きになってしまった。
3:00って、まだ、なんか、夜...
ベッドを抜け出して、窓を開けると、東の空に月。
まもなく新月。
太陽のちょっと前に昇る三日月。
おはようと挨拶。

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こんな時間に目が覚めちゃって、暇だし、
ロータスシーズンも、もうあと一週間ほどで終わりを告げるだろうから、
だったら朝の散歩は気持ちいいし、
山小屋へ行くまでの間、蓮池通いを続けるのもいいかも。

というわけで、シャワーをあびて出発。

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昨日のぽんちゃん(という名前をつけた)は、どんな感じかしら?
と思ったら、また閉じていました。

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今日もじーっと真上から見ていたら、やっぱり花びらが開く瞬間は、
しゅっしゅっ と、素早い動き。
ほぉ...  
(でも、「ぽん!」という感じは、
 一番最初に咲く、あの時だけだな、と確信)

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そこへ知らない女性がひとり。
私もいいですか?と声をかけられたので「どうぞ」と笑顔で答えた。
蓮を目の前に、興奮して「わあ〜すごいー」と、ずっと言っている。
気持ちはわかる。
とても。
だけどしゃべりすぎ。 うるさい。 ずっとしゃべってる。
花は観ないのだろうか?
私が写真を撮っている間もずっとしゃべってる。
「もっとここから撮ったら?」とか「ストロボたいたら?」とか。

ストロボぉ?...

この人は誰に口きーてんだ?(笑)
「知らないんだから仕方ないわ」と
マチルダの声。
こんな時、いつもマチルダは、虹色の笑い声。
それで私の心もふうわり柔らかくなるんだけど...

わかった。 

このひとは、
「親切」な人なのだ。
時々みかける、こういう人。
人の世話を焼くのが好きな人。
相手が愛想よくすると、一気に踏み込んでくる人。
私は少し苦手。善い人でも。

「招き入れたのは、あなただわ」
と虹色の声。

じゃあ笑顔で答えなければよかったかな、と思ってみたけれど...
ううん、そんなことない。
ああいう時、笑顔で「どうぞ」と言える自分でよかった。

“なら、よかったでしょ?”

だけど、なんか、すっきりしない。

“ふふふ、過ぎてしまったことをいつまでも考えているからよ
「じゃあどうすれば?」というのは未来のために使いなさい
今日はこれですべてよし、よ
今を楽しんで”

そうか。

目の前のこの人が、素晴らしい「教材」に見えて来た。(笑)

立ち去るべきかどうか、と懸念しているみたいだったので、
まあ仕方ない!これも縁だ!
と腹をくくって「もうすぐ大きく咲くと思うから一緒に観ましょう」と誘った。
「い〜んですかあ〜っ?」と
とても嬉しそう。
はしゃいで、なお、しゃべるしゃべる。すごいな。
はははは(笑)そんなに嬉しいなら、よかったよ〜
「虫よけスプレー使います?」なんつって。(笑)優しくしてくれた。

10分も一緒にいたらわかったけれど、この人はただのしゃべり好き。
人が聞いてようが聞いてまいが、自分がしゃべれれば幸せらしいので、
もうとなりでうるさくされても気にしないことにした。
聞きたくない話は相槌も打たない。無視して私は撮り続けた。
それでも彼女はぜーんぜん平気みたいだった。

こうして私たちはそれぞれ自由に、勝手気ままに蓮の開花を楽しんだ。

彼女、時々は、ロータスについて私が知らないような話もしてくれた。
「へえっ!?」と思うような話も。それは面白かった。
ただ、彼女はしきりに「ビデオ、ビデオ。ビデオ撮ったら?」とうるさくて、
これには参った。
そんなの全然撮りたくない、おまえが撮れよ
と言いたかったけれど。(笑)
「ヒロッテ」と虹色の声。
何を?と一瞬わからなかったけれど
彼女の言葉を拾え、ということだろうと思って、
仕方なくコンパクトカメラをビデオモードにしてちょっと撮ってみることにした。

そ し た ら

花びらが、ぱっ ぱっ と動く瞬間を、撮影できた。 二度、動いた。

おおおおぉぉ〜...

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そこへ、「あのぉ...」と、もうひとり、女性が。
また笑顔で、招き入れる。 今日はきっと、こんな日なんだ。
最初の彼女は、がぜん張り切る。(それ見てすごいツボる私)
いまいち反応が鈍かった私に比べて、新しい女の子は写真の撮り方を教えてもらうたび
あ〜ん、とか、きゃあ〜、とか言いながら喜んだから。
「すごいですね〜カメラマンさんですかー?」と聞かれて
「違うわ、職業はひみつ」と嬉しそうに答えていた、親切ちゃんよ...
くっくっくっく(笑)
あたしの職業もひみつにしておくよ〜

と、そこへ今度はおばあちゃんがひとり。
なにも断らず、ずかずかと近寄ってきた。
いきなり「咲く時に音はしたの?」と訊いてきた。
ちょっと説明してみたけれど、人の話を全然聞いてない。...すごい。(爆)
蓮を覗き込んで、わ〜、とか言ってる。 感激してるのか?

まあ、今朝は
なんて賑やか!

親切ちゃん、
茎を持って自分に花を向けて携帯カメラで撮った時は
きゃあ〜やめて〜
と思ったけれど。
得意気に、女の子とおばあちゃんに、蓮の開花の話を聞かせていた...
さっき私とふたりきりだった時も話してくれた話。
ただ、ネットで調べた....と言っていたはずの話が、
今度はまるで、
「自分が観た」ような話しぶりに変わっていて、密かに驚く。


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うぅーむ....
蓮に魅せられて15日目の朝、
もう陽も高く昇ったなか、帰り道、
さて、これから私はどうやって生きていこう
ということを思うほど、いろいろ考えさせられてしまった...


今日会った誰もが、花音を聴きたいと、言っていたけれど。
ひとりも聴くことはできないだろうと思う、
今のままでは。
聴くに一番大切なことは、心のありようだ。
まずは花と通じ合わなくては。
花の声に、心を傾けなくては。
静かに。
静かに。

深く。

深く。

なにも準備無しには、
侵入できない世界が、
あるのだ。

花音を聴きたければ、
自分は黙ること、だ。

これは
すべてに
通じる道。

聴きたければ。

黙ること。



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           きっぱり孤独になって
             沈黙の世界へ