FC2ブログ

Entries

修行の寺(たびのおはなし2)

なんでこんなことに?
そう。
覚悟を決めなきゃならないのは、
今これから、
ここに書くことについて。
「わかった」と言うまでに、なんと一週間もかかってしまった。
往生際の悪い私。
カッコ悪すぎるったらありゃしない。

うーむ(唸)



北陸滞在2日目。
これまた急に思い立ち、師匠パパに
「あの小屋、見に行きたい」とお願いした。
あの小屋、とは
少し前から聞いていた場所で
「好きな時に好きなだけ使っていい」山小屋のこと。
パパの知り合いが持つ私有林の中にあるらしい。
その小屋の近くには、宝慶寺という古い山寺がある。
宝慶寺で修行を積み、ナンバー2になると
あの永平寺に行けたらしい.....
なので「修行の寺」と呼ばれている。

パパに連絡をとってもらったら、
まあ見には行けるけど、
雪が深くて、車では入れないとのこと。
小屋まで行くには、車で行けるところまで行って、その後
雪のなかを1キロくらい歩くが、それでもよければ案内するからどうぞ
という返事。
.........................最初から厳しい。

いきなりビビる、弱気な自分。
でも
「行きたい」気持ちは収まらず。 
パパ&ママ、師匠&私の4人で出かけることに。
天候は、ぴーかん。


着いたところは森のなか。
雪道をえっちらおっちら歩く一行。

1209-1.jpg

別にこんな大変な思いして今見なくても、春になってから来たらよかったのに
と、ちらりと思ったけど、それよりもっと強い何か。 引力のような、それは。
有無を言わさぬ、強い働き。
そんなことを感じながら小屋の前に来てみれば。

1209-2.jpg


ものすごぉーーーーいっ!素敵で、びっくりな私達!

わぁわぁきゃぁきゃぁ言いながらはしゃいで見て回る。

1209-3.jpg

私は、去年の秋くらいからずっとアトリエを欲しいと思い続けていた。
ひとりきりになれる場所で、自然の音が聴こえる場所で、
家賃がかからなくて、自由に使える場所。
作品を制作する時に、外側から自分を鎖国し、ひたすら内側に集中し、
しばらく「こもる」という作業をしたかったのだ。
小屋は、ちょうどひとりがちんまり生活するだけに充分な、
まさになにもかも私が想像していた通りの条件をすべて満たしていた。

こんなことって。 あるだろうか?

小屋のすぐ裏は、小川が流れている。
清流でイワナも住み、飲めるらしい。
小屋から見える場所に、小さな池もある。
まわりは、森。
鬱蒼としている。
人間ではない、精霊たちの世界だ。

小屋の前には、
火を焚いたり蕎麦を打ったりするための石組みがされている。

歩いて少し行くと、キャンプ場もある。
夏には少し人が来るらしい。(少し、か)

そんな場所に、ぽつ~ん、とある山小屋。

1209-4.jpg

私はもう、ものすごい上機嫌になってしまった。
ここは作品制作だけではなく、ウィッチクラフトの修行にもぴったり。
先生は精霊たちだ。
たくさんのことを学べるだろう。
長い間の希望が叶う。
マチルダがとうとう
へっぽこ魔女を自然学校に入学させる時がやってきたのだ!(笑)




その後、宝慶寺へ参拝に。
1209-5.jpg

「山の神様、今年からお世話になります」と深い心で挨拶をした。
雲水さんが出ていらして、お寺の中を案内してくださった。
特に座禅堂は素晴らしく、
お願いすれば私のような一般人も座らせてもらえるらしい。
山小屋にいる間はここで座るのもありだな、と思った。
私は、宗教とはまったく無縁の人生を送っているけれど、
こんな展開になってしまったことが不思議でならない。

作品制作と、修行の寺と、山のなかのアトリエ。

天使の働きは素晴らしい。



上機嫌なまま山を降り、その夜、再び若さんと合流。
去年行った、あの美味しかったイタリアンへ、また。

1209-6.jpg

師匠の同級生もひとり合流。
この人、今は社長業をやりながら地元のテニススクールでコーチしてるらしい。
(なので私は、コーチと呼ぶことに)

1209-7.jpg

1209-8.jpg

みんなにアトリエのことを報告。
今年からはたびたび福井へ来ることになると思うから、
どうかいろいろ協力して助けてほしい、とお願いする。

1209-9.jpg

1209-10.jpg

そうか、そうか!と喜んでもらい、私も嬉しくなって、
最近ではめずらしく、ワインをたくさん飲んだ。 おいしかったー!

1209-11.jpg

料理も、何を食べても美味しかった。

1209-12.jpg




すっかりイイ気分で、お腹もいっぱい、幸せいっぱい、
そのまま店を出て駐車場を歩きながら夜空を見上げた時、
ふと、山を思い出した。
今頃、あの山小屋は........

と、その時。

自然のなかに、
たったひとりでこもるというのは、
いったいどういうことなのか。

一瞬にして、私は悟った。


次の瞬間、


なにもかもがいっぺんにいやになった。


怖くなってしまったのだ。





夜中じゅう、布団のなかで、
ひゅーひゅー、がたがたがた、と、窓ガラスを叩く風の音を聴きながら、
私には無理だ。絶対無理。 
できっこない。
諦めよう、と。
いつまでも眠れずにいた。







Appendix

BACK NUMBER

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる