たとえば。
ひとつ悪いところがあって。
こちらがそれを伝えた時には、
「ごめんね」とまずはひとことだけ言えばいいものを。
真摯な気持ちで謝ることができずに、
あなただってこことこことここがとても悪いよ、
と言い返してくることほど格好わるいことはない。
だって今はその話をしていない。
するりと巧みに話題をすり替えて、相手をやり込めようとするなんて。
おまけに指摘されたことを逆恨みに思い、
「もう君とは距離をおきたいんだ。これでピリオドを」
なぁんて自分から言ったくせに、
その翌日にはまた脅迫文みたいなメール....
びっくりあきれる。
さよならと言ったなら二度と目の前に現れるな、と思う。
私は自分で「もうこの人からは離れよう」といったん決めたら
どんなことがあっても絶対会わない。 連絡もしない。
即刻アドレス帳からも削除する。
覚悟を決めるとは、そういうこと。
覚悟が決まらないうちは、
簡単に離れるだの切れるだの、言うべきではないと思う。
なんというか、なにをするにも、
あの甘えっぷり、覚悟の無さっぷりが、一番嫌いだった。
それは、私のなかにもあったものだから。
よくわかる。
私はそれを、とことん、徹底的に、殺してきたのだ。
自分のなかの、甘え腐った、あの部分...
繰り返し、消し去る努力をしてきたのだ。
そうしなければ、写真を撮ることはできなかったし、
なによりも
行きたいあの場所へ到達することはできないのだから。
絶対に許してはならない。
甘えだけは。
それだけは。
あの人は、「あの部分」で嘘をついた。
私にではなく、
自分に。
それは人生の致命傷になるだろう。
やってしまったものは二度と消えない。
宇宙は徹底的に公平で、けして甘くは、ないのだ。